架菜梨案 Kanaria 個展“動物たちが話をしていたころ”
先日、2018年1月20日に架菜梨案 - Kanariaの個展 “動物たちが話をしていたころ”
(東京都中央区八丁堀 現代美術企画画廊 アート★アイガ)に行ってきました。
架菜梨案はArt.and.faceでもインタビューを掲載しています!
架菜梨案の過去の記事は下記です。(2015年7月実施)
アーティスト架菜梨案(かなりあ) - Art and Face
現在フランスのボザール・ド・パリで学んでいる彼女は、年に数回日本に帰国し積極的に国内での活動を進めています。
彼女の作品はまるで愛の世界に運んでくれるように女性らしい強さ美しさで溢れています。私は彼女の絵を見ると、とてもワクワクした気持ちと、女性の奥深さ、移ろいやすさなどを感じ、いつまでもその世界に浸っていたい気持ちになります。
彼女の絵は、ケーキの生クリームのように絵の具を厚く塗ったあと、生乾きのうちに色を重ねていっています。絵の具の面白さと描かれている動物や花、人物などのリズムが小気味好い画面を作り出しています。
かねてより彼女の作品のファンでしたが、
今回の個展では、これまでとの作品から少しだけ変化を感じました。
絵画の空間が割れた鏡のようにいくつかに別れているのです。
生クリームの世界がゆらりと(あるいはぱきりと)別れたことで、濃厚な愛だけではなく、どこか冷静な面を覗かせてくれるようになりました。
まさに「冷静と情熱のあいだ」といった雰囲気。
もしくは6月の雨上がりにあらわれたアゲハ蝶。
新たな境地が生み出されているように感じました。
見るものを引き込む、架菜梨案 - Kanariaの個展は
現代美術企画画廊 アート★アイガにて行われています。
現代美術企画画廊 アート★アイガ
〒104-0032
東京都中央区八丁堀2-22-9 宮地ビル2F
TEL/FAX 050-3405-7096
地下鉄日比谷線八丁堀駅 【A5】出口 徒歩1分
JR京葉線八丁堀駅 【B1】出口 徒歩4分
JR東京駅 八重洲中央口から徒歩13分
【展覧会名】
Kanaria Solo Show “動物たちが話をしていたころ”
【アーティスト】
- 架菜梨案 - Kanaria
会期:2018.1.12(金)-27(土)13:00-19:00
※23(火)は17:00終了
アート★アイガ
イラン ミーリー絨緞✖大磯世代工房 くらしに活きる織物の美
10月24日(日)、大磯世代工房の企画展 「くらしに活きる織物の美」を拝見してきました。
大磯世代工房はこのブログでも過去に紹介している象鯨美術学院の西村浩幸先生の工房です。象鯨美術学院と併設しています。
過去記事→http://tkhskor.hatenablog.jp/entry/2015/07/25/201158
こちらで一昨日金曜日から開催されている「くらしに活きる織物の美Ⅶ」は世界的に有名なイランのミーリー絨毯を展示販売しています。ミーリーとはサファヴィー朝期の絨毯制作の伝統を復興させた絨毯工房です。
伝統に添った絨毯はどれも美しく、歴史を感じさせるロマンがありました。
全て草木染めのため劣化も少なく、三世代の持ち物にできるミーリーの絨毯。
お客さんは途切れることなく訪れ、西村浩幸先生と奥様でシルバーアクセサリー作家の西村elisa嘉代子さんの絨毯やミーリーについての解説を熱心に聴いていました。嘉代子さんの絨毯一枚一枚の解説は実にわかりやすく、絨毯の魅力をさらに引き出してくれるようでした。
絨毯のモチーフはさまざまで、草木から動物、日常の道具など…。その一つひとつが喜びに溢れていました。
どれも美しく、いつか一枚購入したいと思いました。
大きなものとなると値段も張りますが、玄関マットなどなら私でも手が届くような値段のものもありました。
頑張っておうちにひけるようになりたいと思いました。
会期
平成28年10月21日(金)~10月30日(日)
開館時間 11時~17時
10月24日(月)、25日(火)休館
場所
大磯世代工房
神奈川県中郡大磯町高麗2-9-3
http://www.sedaikobo.com/access/index.html
東京駅にて「12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクション」を見に行きました
先日、東京駅内にある、東京ステーションギャラリーに行きました。
入場料は1000円、少し高めですね。900円ぐらいにして欲しいと思います。
宣伝ポスターが「ルシアン・フロイド」。
ルシアン・フロイドはよく書店の画集等では、見かけますが本物を見たのは始めてでした。
この展覧会を見る少し前に、自分でもヌードクロッキーを久しぶりに行ったばかりでした。毎日続けていた学生時代に比べると、形を取る力が全くなくなっていましたが、やはり人体を描くというのは、興味深い主題です。
今回、鑑賞したルシアン・フロイドの作品は油と版画作品。
エッチング?の線が、誠実で綺麗でした。「上手いね!」というよりは、確実な現実感を追っていて、嘘がないような描き方に見えました。
油の方もしつこく輪郭をおっているようで、重厚感がありました。
(しかし以外に最低限の動きの中での、重厚感かもしれません)
個人的にいつも油で絵を描くと、鉛筆や水彩で出せるような、線作業や軽快さが出せなくて、ねっとりした絵になるのが悩みでしたが、それは「ルシアン・フロイドでも一緒だな…」と思いました。
もちろんそれが、いいのか悪いのかはこじんのやりたいこと次第だと思いますが。
ルシアンフロイドに関しては、グッズコーナーに伝記が売っていて、ものすごく面白そうだったのね、いつか購入したいですね。
また収穫だったのが、エド・ルーシェイの作品です。
素晴らしく美しい作品でした。デザイン的な要素を作品として魅せていて、完成度が高いですね!
画像でみると簡素になってしまう、作品タイプなので、生で見るべき作品でした。
他にも、良い作家、有名な作家などいろいろな方が出ている展覧会でした。
一点、気になったのが、東京ステーションギャラリーのレンガの壁なんですが、
すごくぼこぼこしていて、少し気持ちが悪い印象です。
アクの強い作家の作品をあそこに飾ったら、私は鑑賞に堪えられないと思いました。
国立西洋美術館 カラヴァッジョ展(CARAVAGGIO)ルネサンスを超えた男 感想
- 日伊国交樹立150周年記念のおかげででカラヴァッジョを見れました!
2016年4月23日(土)に上野の国立西洋美術館に「カラヴァッジョ展 ルネサンスを超えた男。」を鑑賞しにいきました。
上野駅に到着したのは、16時45分ごろ、土曜日だったので入館は17時までというギリギリの到着でした。
ある程度は込み合っていましたが、長期開催だからか並んでいたりということはありませんでした。カラヴァッジョの展覧会としては人が少ない気がして、拍子抜けしましたが、空いていることに超したことはないので良かったです。
すでに鑑賞した周囲の評価も高く、とても期待していた展示でしたが、入ってすぐ作品から発せられる重厚な雰囲気に圧倒されました。作品が空間を支配していましたが、絵画好きとして居心地がよく感じました。
以下に展覧会の様子を詳細に書いていきますので、鑑賞前にあまり詳しく知りたくない方は読まないでください。
「カラヴァッジョ展」ですが、カラヴァッジョ(Michelangero merisi da Caravaggio)の作品の他に、カラヴァジェスキ(カラヴァッジョの作風を真似た追随者)の作品が8割ぐらい出ています。カラヴァッジョの作品は51枚中12枚でした(公式が傑作11枚となっているのはエッケ・ホマを抜いていると思われる?)見比べなども十分できて、見応えがある展示です。
描写がいいのはもちろんだが、一番好きだったポイントは構図
私が一番いいなーと思ったのは、「バッカス」(1597−98年頃 ウフィツィ美術館所蔵)です。表情とか、小太りな感じとかは少しイラつく人物ですが、グラスになみなみと注がれたワイン、髪飾りの豊かさなどが、見ていて気持ちがいい作品です。
(下記作品のリンク先は「ファッションプレス」のカラヴァッジョニュースより)
また「ナルキッソス」(1599年頃 バルベリーニ宮国立古典美術館)も斬新ですごいと思いました。水に手を入れる仕草、表情、手や膝の凹凸、質感の描写など、バランスがよく見えました。
どれも描写がすばらしいのはもちろんでしたが、何より構図がすばらしいと思いました。(または形の選択がすばらしいともいえる?)人物を描く際の切り取り方が、プロフェッショナルです。カラヴァッジョは下書きをしないで描いていたそうなので、画面と対峙する中で、経験や才能から生まれる五感を駆使して完璧な構図を生み出していたのではないかと感じました。
「エマオの晩餐」(1606年 ブレラ絵画館)も自然な光が美しいですが、やはり構図がすばらしいと思いました。「洗礼者聖ヨハネ」(1602年 コルシーニ宮国立古典美術館)も最近のジャニーズみたいな顔立ちで、可憐で良かったです。
構図が悪いと絵を描いているとき、とっても描き難く描写が進まないと思います。また魅せたいポイントに順番や順位がついていないと、鑑賞者も目が定まらないと思います。その点、鑑賞者にまったく不快感を抱かせない、切りのいい構図で、描写の美しさを完璧にアシストしています。カラヴァジェスキと並べたときに、やっぱり構図の良さが高みに押し上げている気がしました。
カラヴァジェスキたちの作品も楽しい
カラヴァッジョがいいのは、もう分かっているのですがカラヴァジェスキの中にも、すばらしい作品が多くありました。
ジョゼペ・デ・リベーラ(Jusepe de Ridera)の「聖ペテロの否認」は登場人物それぞれが画面の中で役割を持って、活き活きと描かれているのが素敵でした。
バルトロメオ・マンフレーディ(Bartolomeo Manfredi)の「キリストの捕縛」(1613−15年国立西洋美術館)も質感がリアルで見応えがありました。
カラヴァジェスキたちにもさまざまな個性があり、好き嫌い、善し悪しなどを感じながら見てみると面白いです。ギリギリにいったせいで、後半をしっかりみれていないので、会期中にもう一度行こうと思います、
世界初公開の「法悦のマグダラのマリア」があるので(まだ見てない)、講演会など関連イベントも開催されていたようです。知っていたら行きたかったですね。バロックが基本好きなので、満足度の高い展覧会となりました。
<以下展示コーナー別 カラヴァッジョの作品>
- Ⅰ 風俗画:占い、酒場、音楽 Genre Painting:Fortune-telling,Taverns,and Music
「女占い師」
- Ⅱ 風俗画:五感 Genre Painting:The Five Senses
「トカゲに噛まれる少年」
「ナルキッソス」
- Ⅲ 静物 Still Life
「果物籠を持つ少年」
「バッカス」
- Ⅳ肖像 Portraiture
「マフェオ・バルベリーニの肖像」
- Ⅴ 光 Light
「エマオの晩餐」
- Ⅵ斬首 Decapitation
「メドゥーサ」
- Ⅶ 聖母と聖人の新たな図像 New Iconography for the Virgin and Saints
「洗礼者聖ヨハネ」
「仔羊の世話をする洗礼者聖ヨハネ」
「法悦のマグダラのマリア」
- ミニ・セレクション:エッケ・ホモ
「エッケ・ホモ」
PRADOプラド美術館展スペイン宮廷美への情熱
架菜梨案個展 Rendez vous sur l'Horizon (地平線で会いましょう) を見て
こんばんわ。
夜映画を見ながら、ブログを更新。
昨日は残暑の気配が美しい日でした。まだ秋の香りはまったくないですが、夏が終わる準備を始めているような気配を感じました。
そんなさなか、大学の友人2人と架菜梨案個展 Rendez vous sur l'Horizon (地平線で会いましょう) にいってきました。
場所は六本木の禅フォトギャラリーです。
架菜梨案の作品は、私は個人で一枚購入して玄関に飾っているほどファンですが、今回の個展はさらにパワーアップした彼女を感じることができました。
彼女は現在フランスに留学中で、パリとニースで過ごした時間が彼女の作品をさらに美しく楽しいものにしたようでした。
一緒に行った友人の一人が「生きる喜びにあふれている作品」と言っていましたが、まさにその通り。
小動物や植物、人、なんだかよくわからないものなどが楽しそうに過ごしている様が見ていて楽しいです。(うまく説明できないですが、写真を見てもらえば一目瞭然v)
淡いクリームのような下地から、種から花が咲くように自然に美が発生しているのが、とても素直で愛らしさに溢れています。
現場でみて輝く作品は以外に少ないですが、カナリアの絵画は必ずし実際に見た方がいいです。
8月8日~20日(うち13~17日夏季旧廊)ZEN FOTO Galleryでは5度目の個展を開催させていただきま
20点ほど絵画を展示する予定です。
8/8(sat)-8/20(thu)
Opening Party 8/8(sat) 18:00-20:00
8/13-8/17 夏季休廊
ZEN FOTO Gallery
106-0032 東京都港区六本木6-9-9ピラミデビル2階
12:00-19:00
080-4652-7058 amanda@zen-f
www.zen-foto.jp
Rendez-vous sur l'Horizon
地平線で会いましょう!
ぜひ遊びにいらしてください♪
「絵画を抱きしめて」前期「絵画との出会い」(SHISEIDO GALLERY)をみて
画廊に行くまで
8月1日(土)、その日は朝から仕事で、猛暑のなか東京まで外出。夜には神奈川の至るところで開催される花火大会の一つに参加する予定でいました。