「絵画を抱きしめて」前期「絵画との出会い」(SHISEIDO GALLERY)をみて
画廊に行くまで
8月1日(土)、その日は朝から仕事で、猛暑のなか東京まで外出。夜には神奈川の至るところで開催される花火大会の一つに参加する予定でいました。
昼に仕事が一段落したものの、あまり時間もないなか「絵がみたい」と思いました。
とりあえず「美術館.com」で展覧会を検索。すぐに行けて、それほど鑑賞に時間がかからないところを探し、見つけたのが資生堂ギャラリーの「絵画を抱きしめて」でした。銀座の中央通りに画廊があるので、行きやすく無料の画廊なので、そのときの私にぴったりでした。
若手作家の鮮やかな絵画
「絵画を抱きしめて」は阿倍 未奈子さん、佐藤 翠さん、流 麻二果さんの三人の女性画家の展覧会。
フライヤーを見る限り、どれも作風が美しかったので拝見することに。
会場は撮影が禁止されていましたので、会場内を見せられませんが、資生堂ギャラリーは入館料無料の展覧会としては毎回すばらしい作品を並べます。
今回の作品も、鑑賞すると気持ちのよくなる作品が多かったです。
※下記で作品が見れますので、よければ別窓でご覧ください。
特に阿部未奈子さんの作品はマスキングテープとローラーで描く風景画がすばらしかったです。
風景を描こうと思うとき、遠近法等を使って、遠くと近くを感じさせることは簡単ですが、彼女の作品は遠くにいったときの「かすみ」の表現が素敵でした。
中国画や日本画などには、「遠くの感じ」がよく表現されますが、マスキングを使ったくっきりとした色合いの中でそれをできるのは、全体のバランスの良さだと感じました。近くの雰囲気、遠くの雰囲気が私も絵を描いていて難しい所ですが(むしろ私は全くできないので、途中で無理矢理やってしまい、あれ?となります)
この作品はそれが上手く出ていて、見ていてあきないとも思いました。
また色味も美しいし、「風景画」ですが、ミステリアスな部分もありそれが素敵でした。
佐藤翠さんの作品は、靴が並べてある「camellia cioset Ⅰ」が立体感が感じられて好きでした。
「camellia cioset Ⅱ」は個人的に鞄にかかっている「たらし」が処理しきれていない感じも受けてしまいましたが(完全に好みですが)、大画面の中で、描写が美しく、スカーフの色味も美しかったです。
「camellia cioset Ⅰ」は下部の花の描写よりも上部の靴の描写が好きで、線に美しさがある作家さんだと思いました。そうやってみて見ると画面が線で構成されている様な気がしてきて、ポップなモチーフを書かれていますが、すごく実直な印象を受ける絵でした。“女の子が好きなものが描かれた”という作品としてより、“油絵の魅力が詰まった”と言う作品として見てしまう所が、私のかわいげの無い所です。
流 麻二果さんは大画面で美しいですが、一番好きだったのが入ってすぐにあった小さい作品でした。※作品名書留忘れました。
それは画面のなかに筆と意識が均等に入られていて、部屋に飾りたくなるような作品でした。大画面の作品は個人的に色味が好みではなく、描かれている形が不安定なのもあり、あまり好きではなかったです。
ただ4つのキャンバスをつなぎ合わせているにもかかわらず。スケール感があったので、力強い作品だとは思いました。
また作家自身のなかで、決められた法則がある様子もひしひしと伝わってきたので、エネルギーのある作品だと思いました。
※色々言いましたが、個人的な感想ですので、ポジティブな部分だけ捉えてもらえると助かります。
この展覧会は前後期に分かれていて、これから作品替えをして後期が始まるそうです。
私は後期も見に行きたいと思います。
スタンプラリーで得点がもらえますしね…