Art and Face

アートの輝きを見つけるブログ

アーティストグループ 『すべては夏のために集合し、秋のために離散する』 『空き地/明き地』展

 

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アーティストグループ『すべては夏のために集合し、秋のために離散する』(以下、「すべ夏」)は2014年3月8日(土)~3月23日(日)の期間、『アタミアートウィーク』の参加アーティストとして『空き地/明き地』展を開催。 『すべ夏』は、多摩美術大学大学院油画科を今年卒業した、本田和葉さん、荒木美晴さん、田邉結佳さん、三津木陽介さんの4人で活動するアートグループ。
展示タイトルとグループ名の美しさに誘われ、3月の温かな陽気のなか週末の観光地、熱海へ取材に伺いました。

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空き地」を「明き地」へ
寂しい空間をアートで美しく

『空き地/明き地』展は熱海の商店街通りに、突如洞窟のようにポッカリと空いている“空き地”が会場でありテーマ。そこに色とりどりの三角旗(フラッグガーランド)が吊るされ、訪れた人の目を惹きます。奥に目を向けると、映像作品がループされ、手前には、お茶が飲めるスペースがありました。
「アタミアートウィーク」はもともと熱海の町の“空き店舗”や“空き家”をアート作品の展示スペースに活用し、地域の活性化につなげることが目的にアートイベント。そのなかでも“空き地”に焦点をあてた理由をメンバーの荒木さんにお聞きすると…。

荒木「熱海の町を歩いていると忘れ去られたような空き地がたくさん点在しています。地元の方々にとっては、ただの“空き地”だとしても、アーティストの目線で見たときに、“空き地”は美しい“明き地”になることができるかもしれないと考えました。「こんな場所があった」と地元の方が、地域の再発見をしてくれたら素敵だと思いました」とのこと。

特に今回の展示で印象に残ったことをお聞きすると…。

荒木「この“空き地”を展示場所に使ったことで、地域の人と交流を深めることができました。ここは昔、お店だったそうですが、火事があってからそのままになっている場所だそうです。幸い、けが人は出なかったそうですが、大きな火事で大変だったとお聞きしました。そうやって、少しでも会話が生まれたことが嬉しいです。でも、“地域”をテーマにあてた作品としては、まだ弱いところがあるので、今後このような機会があったら、もっと地域に根差した作品にすることも考えられると思います」。 

また、一人ひとり独立した作品発表を行っている4人がアートグループを組んだことに意外性を感じ、発足の理由をお聞きしたところ…。

荒木「まったく違う感性を持った4人が、一緒に作品を作ることで、お互いの作品制作の刺激になるからです。一人で制作をしていると、どうしても独りよがりになってしまいます。メンバーと共に制作し、客観的な意見や否定的な意見をお互いに交換することで、それぞれの価値観をより深めることができています。だから新しいメンバーも常に欲していますよ。」と話してくれました。 個性の強いアーティスト同士が、真剣に共同作品を作る姿はとても真摯で魅力的な活動に写りました。
(レポ:kor) 


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ただの”空き地”は地域の人が立寄、気になるアートスポットへ 

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映像作品は、”空き地”をフラッグガーランドで飾り付けるコンセプトで作られていました(左)。訪れた人が自由に書き込みフラッグガーランドをつなげて増やしていくことができます(右)

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展示は2カ所で行われ、段々畑のようになった場所にも飾り付けられました(左) 

『すべ夏』の最新情報や展示情報については
アーティストのHPをご覧ください。
『すべては夏のために集合し、秋のために離散する』HP
『アタミアートウィーク』HP